ぴんぷくの限界オタク日記

オタク向け作品の感想やメモ

翼の翼

どうもお久しぶりです。前回の記事からそろそろ1年が経とうとしています。ぴんぷくです。

随分と期間が空いてしまいました。本当はもっと書きたい事が沢山あるので更新したいと言う思いはあったのですが色々と問題にぶつかってしまい途中で投げてしまいました。

というのも3巻を理解するのが難しかったんですよね。

少しわからない点があったのと、理解がふわっとし過ぎていて自分の考えを上手く言語化できず、自分の納得の行く記事が全然書けなくて更新するモチベーションがなくなってしまったんですよね...


そうして1年近く経ってしまった今、ある転機が訪れました。

ミリオンの3rdライブのネット配信がありました。なんとそれはゲッサン3巻の再現をやっていました。

素晴らしいライブでした、そして全ての糸が繋がった様な感覚になりました。

今なら書ける、そう思ったので今更ながら更新を再開しようと思った次第です。

 

実際のところ少し自信がないところもあるのですが、そんなこと言っているとまた更新が1年後になってしまうので少し怪しいまま堂々と載せてしまっていますがその辺はご容赦して頂きたいです・・・

 

前置きが長くなってしまいましたが本題に移って行こうと思います。


前回の記事の続きなのでまだ読んでないよって方は前回の記事を先に読んで頂ければと思います。

最初からの人↓

春日未来の魅力と「面白い作品の主人公大体アスペ説」 - ぴんぷくの限界オタク日記

 

最新↓

静香の「呪い」と「夢」は次のステージへ - ぴんぷくの限界オタク日記

 

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3巻はほぼ番外編と言っていい巻になります。

ですので2巻から続く話に進展はありませんし未来と静香の事はほとんど描かれていません。

その分「翼」についての掘り下げがメインとなっているお話です。

4巻からは翼、未来、静香の3人でユニットを組む事になる為、ここで翼の掘り下げ回を先に描いておく必要があったのでしょう。

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それでは早速2巻まででの翼について振り返ってみましょう。

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・前回の翼に関する記事で書いたこと

 

①「自由気まま」「人懐っこい」「猫」

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性格が自由過ぎて事務所では完全に問題児です

 

②やりたくない事からは逃げる

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性格が自由過ぎてやりたくない事からは逃げます。

 

③見ただけである程度踊れてしまうほどの才能

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その才能はダンスだけではありません、とにかくあらゆる能力が高いです。

誰もが認める「天才」です。

 

④ステージを見る人を魅了するスター性

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その才能はまさにアイドルになる為に生まれて来たとさえ思えるほど

 

⑤勘が鋭い

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これも翼の天賦の才能の一つ、人の考えてる事はある程度読めてしまいます。

 

⑥人を見る観察力と洞察力に長けている

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翼はよく見ています。

こういう所がダンスを一回で覚えたり、勘が鋭い事に繋がっています。

 

 

⑦人のラインを超えないギリギリがわかる

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翼は「勘の鋭さ」「高い観察力と洞察力」によってなんと人が許してくれるラインと許さなくなるラインの境界線がある程度わかります。

 

⑧目的を達成する為の賢い計画を立てる能力

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そして自分の一番好きなように生きれる様に計画を立てて、それを遂行できる賢さを持っています。

これらの能力を全て使う事で「人のライン」を超えない程の迷惑をかける事で自分がやりたいように自由に生きる事が本当に上手いです。

 

⑨意外に気が利く

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これらの高い能力は自分だけの為に発揮するわけではありません。人の考えがわかると言う事は、「その人がち今どうして欲しいのか」もわかると言う事。自由過ぎて人に迷惑をかける事が多いですが、ちゃんと仲間の為に気が使える優しい子です。

 


これらの翼に関する詳しい事は以下の記事で紹介しています。↓

 翼の魅力から迫る未来の「本当の魅力」 - ぴんぷくの限界オタク日記


読んでいない方や忘れてしまった方は先にこちらを読むといいかもしれません。

 

それでは3巻の内容を見て行きます。


最初に3巻がどういう話なのかを先に示しておきましょう。


・これは新曲"アイル"誕生の物語

 

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まずこの話の主人公ですが未来でもなければ翼でもありません、なんと意外にもジュリアです。

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3巻は主人公であるジュリアが翼に影響を受けて"アイル"と言う曲を作るお話です。

 

それではまず今回の主人公であるジュリアのキャラクターについて見て行きましょう。

 

ジュリアはアイドルになりたくてこの事務所に入った訳ではないみたいです。
ただ音楽の道を行き進めていたらここにたどり着いた、と言った具合でしょうか。

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ですのであまりアイドルらしくはないのですが、その分歌にかける情熱は凄いです。

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ロックバンドのボーカルが何故かアイドルになってしまった、みたいな感じのキャラクターと言うとわかりやすいでしょうか?

 

続いて性格ですが、非常にロックな性格です。f:id:peapoo-pnpk:20200617174600p:plain

中途半端を許さず、自分にも他人にも厳しいタイプです。

 

しかし怖い性格と言う訳ではありません

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怒りはしますが面倒見はいいし、なにより話が通じるタイプです。


ジュリアまとめ
・アイドルらしくない
・ロックでかっこいい系
・歌にかける情熱は凄い

・中途半端や筋を通さないのは嫌い
・面倒見がいい

 

ジュリアに関するもう少し踏み込んだ話は記事の後編で触れる予定です。

その時にジュリアの過去についての考察をするので今はこれくらいの説明にしておきます。

 

こうして見るとジュリアはアイドルらしくて自由な性格の翼とは正反対な性格です。当然ですが実際この話の中でのジュリアと翼の相性はめちゃめちゃ悪いです。

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この物語はそんなジュリアと翼が共にステージに立ち、新曲"アイル"が誕生する物語です。
熱い展開間違いなしだと思いませんか?

それでは以上を前提に早速本編の話を追って行きたいと思います。

 

3巻はこれがまたなかなかに内容が濃いので記事は2分割しました。それでは前編から

  


・憧れは盲目に

 

話はアイマスお馴染みの大先輩「美希」のバックダンサーをシアターメンバーの中から決めるオーディションから始まります。

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そして翼はその大先輩の美希に対して強い憧れを抱いています。

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というのも、翼の行動理念は常に「ハッピーライフ」やりたい様に生きて尚且つ欲しいものも手に入れたい。

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そして美希はマイペースで自由ですがその才能は恐らく事務所で1番です。厳しい努力をしている様子もなく自由でそれでいて実力、人気、信用全てを持っています。

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美希は正しく翼が目指す「ハッピーライフ」そのものな訳ですね。

これは憧れるのも仕方がありません。

 

そして迎えたオーディション当日。翼のダンスは圧倒的でした。f:id:peapoo-pnpk:20200618125155p:plain

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これには誰もが翼で決まりだと思っていました。

 

しかし美希の評価は

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 なんと翼がこれだけの実力を示したにも関わらず美希は翼をバックダンサーには選びませんでした。

 

この理由は単純です。翼はそもそもバックダンサーに向いてないのです。

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翼の自由過ぎる面はダンスにも出ています。その能力は凄いですが主役はあくまで美希のステージ、バックダンサーとなると翼は浮いてしまう訳ですね。

 

しかし翼の性格や能力を考えると翼は自分の事をよく理解しているし、相手が考えている事もある程度推察できる洞察力を持っているので、この程度のことなら最初からわかっていてもおかしくない様に思います。にも関わらず、美希のバックダンサーに選ばれなかった事が腑に落ちていない様子なのは少し不自然です。f:id:peapoo-pnpk:20200618133655p:plain

これがこの項のタイトルである「憧れは盲目に」なのだと私は考えています。

そして翼と言うキャラクターを理解する上での重要な要素ではないかと思っています。

重要性についてはまた後で説明します。

 

私は翼は優れた洞察力を持っていますが美希に対してだけはその力は発揮できないのではないかと考えています。美希は翼の理想そのものです。しかし実際、翼に見えている美希は本来の美樹よりもさらに大きな理想を押し付けた美希に他なりません。

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翼は美希に対して自分の理想を重ねがけしてしまっている所為で美希が考えている事を推察できないのです。

「憧れは盲目に」とはこういう事。

 

今回の場合は翼は選ばれれば「美希と一緒にステージに立てる」「同じ景色をみれるかもしれない」と少し舞い上がってしまいました。そして自分が美希と同じ景色を見てみたいと言う想いが先行し過ぎるが余り、いつもの洞察力を使えていません。選ばれる為には共にステージに立てる様に相応をパフォーマンを見せなくてはと考えてしまった訳です。実際はバックダンサーなので目立ち過ぎてはいけないのに。

 

恐らくこのオーディションが美希ではない他の大先輩のバックダンサーだったならば、翼は何かを察知してオーディション自体来なかったんじゃないかと思います。

翼は基本的に目立ちたがりなので。

 

・翼、不調へ

ここからようやく今回のお話の主人公、ジュリア登場です。

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プロデューサーからの指名で翼がジュリアのステージのバックコーラスをすることになります。プロデューサーもオーディションの一軒を見て翼に後ろでサポートする役目を覚えて欲しかったのでしょう。

しかし翼はあまりやりたがらない様な気もしますがなんと、、、

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これをあっさり引き受けます。

この時の翼は美希のバックダンサーオーディションに落ちた事で少しご機嫌斜めです。

その所為か少しぐれてしまっているのかもしれません。

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いつもならなんだかんだ言って逃げそうなものですが、持ち前の洞察力や計画性がなく気まぐれで行動してしまっているのでしょう。

 

翼は頭がいいので基本的に自ら行動を起こす時、結果が思い通りにならなかったことはほとんどないと思います。そんな翼が憧れに目が眩み、思い通りにならなかった事で何かが崩れてしまいました。

そんなことなので当然・・・

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喧嘩になります。まぁ当然の流れですね。翼も本調子ならこうなる事くらいは予想できたのではないでしょうか。

 

しかも本番当日、、、

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なんとあの計画性の高い翼が遅刻します。

相手の怒りラインを超えない様に計画を立てるのが上手なあの翼が思いっきりラインを超えてしまいました。これには流石の翼も色々な人に謝りに行き怒られに行きます。

こういう所から見ても翼の中でなにかがおかしくなっているのは間違いないでしょう。

 

・翼が翼である為に

 

さて、こうなってしまったからには翼が翼らしく戻る為のキーマンが必要になるのが物語の鉄則です。

ここでようやくジュリアの出番と言う訳です。(主人公出番遅くね?)

 

ではどうすれば翼は翼を取り戻せるのでしょうか?

それでは翼がこうなってしまった原因を振り返ってみましょう。

 

発端は翼は憧れの美希に認めてもらえなかった事です。

そしてその後ジュリアと「合わせられない事で」喧嘩してしまいます。

最終的にはステージを遅刻しました。

 

こう振り返ってみると、翼はモットーであるはずの「自由に」がありません。結果として無意識に自由を求めてしまい「あーしろこーしろ」と言われる縛りだらけのステージに行くことができなかったのではないでしょうか?

 

つまり翼が翼である事を取り戻す為に必要なのはこの「自由に」を取り戻せばいい訳ですね。

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それではジュリアは翼とどう向き合うのかを見て行きましょう。

 

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早速ジュリアはなんとなく翼に必要なものに気付いている様です。

そして

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自分ではなく翼に合わせてみる事にしました。

 

すると

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かなり翼らしい翼が伺えます、なんといってもこのラインを超えずに周りを振り回して困らせる感じが翼ですよね。翼はほぼ本調子に復活したと言っていいのではないでしょうか。ジュリアの翼に対する向き合い方は非常によかったことになります。

 

翼は翼らしさを取り戻す事ができました。しかし当然この話はこの程度では終わりません。

 

翼らしさを取り戻した翼は、ふとこんな疑問をジュリアに投げかけます。

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「ジュリアは何故アイドルをやっているのか?」

 

 

 

 

物語の真のテーマが見えてきましたね。

実は物語の冒頭はこんな風に始まっています。

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そうです、この物語は主人公のジュリアが「自分にとってアイドルとはなにか」について考えるお話だったと言う訳です。物語はここからが本番です。

物語の主題がわかった所で、続きは次回の記事になります。

 

・翼の翼、自由のルーツ

 

最後に新たに分かった翼の1面から翼について少し考察します。

2巻まででは考えられない様な、翼の意外な一面を見る事ができました。そして「翼」と言うキャラクターがようやく見えて来た様に思います。

 

2巻までの翼は「やんちゃな食わせ者」と言ったイメージで「自由でありたい」と言う理念ではあるが、能力は高く考え方は計画的で、見た目や行動とは裏腹に非常に余裕のある大人びた側面を持つキャラクターと言う印象でした。

しかし今回の物語で美希と言う翼にとって特別な存在が話に絡んできた事によって「実は精神面が不安定で子供っぽい」と言う一面を見せてくれました。

 

翼の「自由」のルーツは単純に「精神が子供である」影響だった訳ですね。

 

「大人も顔負けの高い能力を持ちながら、夢や精神はまるで子供」

 

これがゲッサンを通じて受け取った私の考える「翼」と言うキャラクターの解釈です。f:id:peapoo-pnpk:20200623124929p:plain

 

 

 

 

 

 

今回のゲッサン3巻に関する紹介記事の前編、「翼の翼」は以上となります。

 

ゲッサン2巻まででは触れられていなかった翼が非常によく描かれていました。

そしてそんな翼を見たジュリアは何を感じ、どう成長するのかが大変楽しみですよね。

 

次回の後編記事ではジュリアの過去の考察や、曲の歌詞等に触れながら今回の物語の結末までの良かった点等を紹介しようと思っています。 

 

 それではまた

 

次記事↓

賞賛なんてなくたって - ぴんぷくの限界オタク日記