どうも、ゲッサンを絶賛するおっさんのぴんぷくです。
いやなんでもないです。
ゲッサン日記もついに4つ目となりました。今回もゲッサンのいい所沢山紹介したいと思っています。
前回の記事の続きなのでまだ読んでないよって方は前回の記事を先に読んで頂ければと思います。↓
翼の魅力から迫る未来の「本当の魅力」 - ぴんぷくの限界オタク日記
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前回の記事で書いたこと
・”翼”の特徴
①「マイペース」「自由気まま」「人懐っこい」「猫」
②やりたくない事からは逃げる
③見ただけである程度踊れてしまうほどの才能
④ステージを見る人も魅了するスター性
⑤勘が鋭い
⑥人を見る観察力と洞察力に長けている
⑦目的を達成する為の賢い計画を立てる能力
⑧気が利く
・翼から見る"未来"の特徴
①絶対に逃げない
②バカ正直で嘘が付けない
③心がきれい
④普通に落ち込むこともある
本編
・”翼”の登場により静香が未来に「夢の話」を打ち明けた
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ざっくりこんな感じの内容で、「翼の人物像」と「未来の本当の魅力」、そしてその二人の違いから見る二人の魅力について書きました。
今回は私が思う「ゲッサン最大の魅力」について紹介したいと思います。
私がゲッサンの面白いと思った1番のポイント、"ストーリーと「歌」の親和性"です。
今回の記事はこれについての紹介がメインです。
・最強の作品形態はミュージカル
突然ですが皆さんはミュージカルを見た事がありますか?私はミュージカルこそ最強の作品形態だと思っています。
ミュージカルと言う作品は物語が進んで行く上でのキャラクターの気持ちの変化や想い、場面などを「歌」で表現します。 キャラクターが持つ想いは複雑です、言葉なんかでは到底表現できない様な感情なのです。しかしその想いは「歌」でなら表現できてしまうのです。
その時はまだ「歌」の意味を理解できなくても何回か見ているうちになんでこの歌なのかがわかってきたりして、より理解が深まるのもミュージカルの醍醐味だと思っています。
ゲッサンではアイドルがステージで歌う「歌」がまさしくミュージカル的な表現として使われていています。
あくまでアイドルのステージなので明言されている訳ではないし関係ない時もありますが基本的に曲名がわかる様なライブをする時はその時その曲を選んだ意味は少なからずあると感じますね。
ストーリーの進行と共にその時のキャラクターのあり方や思いをステージで「歌」として表現する。
私はこれがゲッサン最大の魅力だと思っています。
そしてキャラクターの想いやあり方、本人がまだ気づいていない事などが「歌」で見た人の心に届いた時こそがミュージカルの最高の瞬間だと私は思っています。
ではこういう視点で実際にゲッサンを見てみましょう。
ゲッサンで最初にステージを披露したのは静香です。このステージで歌った曲は「Precious Grain」
「Precious」は大切なもの
「Grain」は小さな粒(一粒)
と言う意味です。
Grainはわかりやすく“夢”を示しているのでしょう。
この曲は静香の「夢が大切である事」を歌った曲であり、「心の叫び」だと考えています。
この時の静香を体現した様な歌です。
実際に歌詞を見てみましょう。
説明の都合上、順番を前後したりしてます。あと同じ様な表現を繰り返してる箇所や解釈のしようがない所はカットしてます。
閉じ込められている砂の零れていく音色
ねぇ、聴こえているでしょう?
限られた未来が落ちていくのを 眺めるだけなんて、嫌
ここの歌詞は「未来が落ちていく」つまり静香の限られた時間が減って行く事を示しているのでしょう。そして夢の事を「砂」と表現しています。それが「落ちて行く」と表現している事から「夢が時間とともに砂時計の粒の様に落ちて行く」様を表していると考えられます。
そして「そんなのを眺めてるだけなんて嫌、もっと頑張らなきゃ」と言う静香の焦る気持ちや想いを強く感じますね。
星の数ほどあるはずなのに この掌に数えるくらい
たった一粒でもかけがえのないモノ
輝きに変えながら叶えていきたいの
たった一つだけのかけがえのない夢
星の数ほどある中のたったひとつのかけがえのない一粒、粒は夢。
つまり世の中に星の数ほど溢れた「夢」の中でアイドルは静香のかげがえのないたったひとつの夢である事を示しています。
たった一粒でも大切にしたいの 時という宝石に誰も気付かないの?
たった一つだけのかけがえのない夢 あの星に届かせたい…
私の歌を、願いを込めて
時間と戦っているのは自分だけ、そんな孤独な想いと、限られた時間の中で夢を叶えたい願いを感じます。
この掌で掬えないなら
あなたの両手重ねて欲しい
たった独りきりじゃ叶えられないから…
たった一つだけのかけがえのない夢
あなたにも見えたのなら…手を差し伸べて、硝子の外へ
静香に協力してくれるはずの大人に時間がない事をわかってもらえない、そんな静香が「わかって欲しい、そしてわかってくれたなら協力して欲しい」と言う心の叫びを感じます。
このステージに立った時点での静香の心を完璧に表現出来た曲だと思います。と言うか恐らくこの曲があるからこういうストーリーになったと言う方が自然ですね。
この様に「歌」により静香の想いはかなり伝わってくるものです。そしてこれがゲッサンの最大の魅力です。
ストーリーがあって曲がある。
表現としてこれほど素晴らしいものはない。
以上の話を前提に前回紹介した所からゲッサンストーリーを進めていきたいと思います。
静香と翼のユニットが出るステージの当日
所が公演直前のリハーサルで 静香が倒れてしまいます。
急な企画で無理をしてしまったのが祟ってしまいました。
これによりステージ直前で静香は出れなくなり、代わりに出る人が必要な緊急自体に...
ここで静香と一緒にステージに立つはずだった翼は何かが見えた様です。
勘が鋭く計画が立てるのが得意な翼が閃きました。
翼は共にステージに立つ相方は自分が自由にライブができそうな相手が良かったのでしょう。尚且つ一緒に歌うはずだった曲ができそうな相手とは・・・
そこで翼が思いついた相手が未来だった訳です。
未来はステージに立ったことがないので周りの人は未来にステージに立ってもらうなんて考えもしなかったでしょう。しかし翼は未来とステージをすると言うむちゃくちゃな事言い出します。
勘の鋭い翼には未来と一緒にステージに立てる絵が見えたのだと思います。
このカットの注目ポイントは他にもあります。いつもの未来なら楽しそうに「一緒にやろう」と言いだしそうなものですが、かなり戸惑っています。未来は「まだステージに立つ自信がない」などと言い出すようなタイプではないはずです。
よってこの時の未来には、あまり未来らしさが無いように感じます。この理由については後ほど。
こうして周りも翼の口車に乗せられて未来は翼とライブをする事になりました。
そして未来と翼が入る直前のステージで「心が帰る場所」と言う歌を未来は聞くことになります。
その時の歌詞がこちら
ゆっくり流れる雲の先
沢山夢を描いてはまだ全てが未来系だった日々
それは今だからわかるかけがえのない宝石みたいで永遠で
胸の奥のポケットから今日も勇気をくれる
うれしい時悲しい時、心が帰る大事な場所
君はどんな風に笑っていたかな会いたいな
この曲は「過去を振り返ってその時には気が付かなかった今だからわかるかけがえのない日々が今日も勇気をくれる」と言う歌、そしてその時共に過ごした人への感謝を歌ったものです。
未来はこの曲を聴いて静香との過ごした日々と感謝を思い出します。
そして自分が静香の代わりに出る事が申し訳なく感じてステージに立てなくなってしまいます。
このシーンもそうですがこの時の未来、全然未来らしくないんですよね。この時なぜ「未来は未来らしくないのか?」について考えると、この物語が描きたかったものが見えてきます。その説明は後ほど。
ミュージカルの項で「歌」は言葉よりもキャラクターの心情が観客に伝わる、と説明しましたが、伝わるのは何も観客だけではありません。キャラクター同士でも言葉じゃ伝わらない事を伝える事だってできるのです。
ゲッサンの曲の使い方が上手いなーと感じるのはこういう所ですね、キャラクターの心情変化のきっかけに既存の歌を使う、しかも曲のチョイスが完璧です。元々アイドルマスターと言うコンテンツ自体が曲あってこその作品なので曲とストーリーをシンクロさせるとやはり良さが出ますよね。素晴らしいと思います。
これこそゲッサンの面白さの真骨頂ですね。
話を戻します、ステージに立てなくなってしまった未来ですが、ライブ直前に静香から励ましのメールが届きます。
このメールを見て未来の心境は突然変わります。
ここが未来の変化の大きなターニングポイントです。それではなぜ未来はこのメールでこれほどまでに気持ちが切り替わったのかを考察していきます。
・アイドルとしての自覚
私は未来がこのメールで突如気持ちが切り替わったのは、それまで「アイドルとしての自覚がなかったから」だと思っています。
それでは整理する為に未来のここまでの話を少し振り返ってみましょう。
未来は静香のステージを見て「自分のやりたい事」を見つけました。
始めは静香がステージで輝く姿を最前列で見たいとみたいと思った。
そして未来は更に静香みたいに自らがステージで輝きたいと願った訳ですね。
と言う訳で未来のアイドルへの想いは基本的に「静香への憧れ」から来ています。
しかし、そもそもアイドルとは誰かを目指すものではありません。「誰か」を目指すのではない、なりたい「自分」を目指す、オンリーワンを目指すのがアイドルなのです。
この時の未来は「静香ちゃんは凄い、静香ちゃんみたいになりたい」と言う想いのあまり、未来自身が1人の個性を持ったオンリーワンのアイドルであると言う自覚がなかった訳ですね。
だからこの時の未来は「アイドル」と言うよりは、ただ闇雲に静香の背中を追いかけてアイドルを目指した「ファン」と言う言い方が正しいでしょうか。
「アイドルとしての未来」は静香になろうとしてしまっていました。結果としてアイドルとしての未来は未来らしさがなかった訳ですね。
話を戻します。
この時の未来は「自分が静香の代わりにならなくてはならない」と言う状況になってしまった為、静香の代わりであろうとするが故に余計に未来らしさがなくなっていってしまいます。本調子の未来なら絶対に翼とステージに立ちたいと言い出せたはずです。
これが先ほどの「未来が未来らしくなかった理由」だと考えられます。
こうして色々な感情が重なった結果「未来らしくない未来」になってしまった訳ですね。
しかしそんな「静香の代わりになろうとしている未来」に静香が「未来ならできる」と言いました。
それは「静香」の代わりの「未来」なんかじゃない、「未来」が「未来」のステージをできる事を信じた一文でした。
この一文を読んだ未来は、未来が静香を一人のファンとして信じているように、静香もまた未来の事を信じてくれている事に、そして今からやるべきステージが「静香の代わりのステージ」じゃない、翼と未来自身が静香の想いを背負って立つ、「未来自身のステージ」である事に気が付きました。
これまでは「静香が未来から」貰い続けていた物を今度は「未来が静香から」貰う事ができた点は感動的ですね。
こうして未来らしさを取り戻した未来は翼と共にステージに立ちます。
そしてステージに立つ未来はどうでしょうか?
さっそく未来らしさ全快じゃありませんか。
未来、完全復活です。
しかしステージはそんなに甘くはありません、静香が出る事を楽しみにしていた観客たちは不満を隠しきれていません。
会場は未来にとって最悪の空気になってしまいます。
しかし完全復活を果たした未来には効きません。当然です。
なんと未来はアウェーな空気だからこそ、みんなに自分の想いを届けようと逆に頑張ろうとします。
いやーやっぱこうなった未来は無敵だなぁ。
しかも「出られなかった静香の分まで」届けようとしている所が感動的ですよね。
最高だ・・・
しかもなんとここで未来が歌う曲、「GO MY WAY!」なんですよね。
いやーわかってるよなぁ、今の未来が歌うに相応しい最高の曲じゃありませんか。
簡単に重要歌詞を抜粋してまとめると。
幸せと不幸せなんて 気持ち次第で変わってくから どんな場所でも見つけられる
どんな事でも始めてみよう さあ今!
GO MY WAY、GO 前へ、GO MY 上へ
一番大好きな 私になりたい
「 幸せと不幸せなんて 気持ち次第で変わってくから どんな場所でも見つけられる 」
「どんな事でも始めてみよう さあ今!」
なんてまさに未来らしさそのものだし、今このアウェーな環境を逆に力に変えた未来にピッタリのポジティブな歌詞です。
つづいて
「GO MY WAY、GO 前へ、GO MY 上へ」
「一番大好きな 私になりたい」
ここも今の未来にぴったりです。未来は静香に背中を押されて未来らしさを取り戻し、踏み出せなかった1歩を踏み出したのですから。そして最後は「誰か」を目指すのではない、なりたい「自分」を目指すんだと言う事に気が付いた未来の心の叫びが良く伝わってきます。いやー最高の一曲だ。
こうして未来の初めてのステージは「アイドルとしての未来」のスタートラインとなる最高のステージとなりました。
今回の記事は以上になります。
ゲッサンが面白い一番のポイント、「歌」について紹介させていただきました。
ようやく1巻が終わりました!(長すぎた)
しかも次回で2巻の終わりまで行く予定です。またゲッサンのいい所、沢山紹介できたらと思っていますのでよろしくお願いします。
今回の記事も最後まで読んでいただきありがとうございます。
それではまた。
次回↓
静香の「呪い」と「夢」は次のステージへ - ぴんぷくの限界オタク日記